金融電卓(TVM計算)とは?
この金融電卓は貨幣の時間価値(TVM)の5つの変数のうち1つを逆算します。住宅ローンや自動車ローンの毎月返済額、つみたて投資の将来の金額、目標額までにかかる期間、借入可能額、分割払いやリースに含まれる実質金利など、お金と時間が関わる計算を同じ式で解けます。年間支払回数(P/Y)と年間複利回数(C/Y)は別々に設定でき、支払いを期末(END)か期首(BEGIN)から選べます。
証券アナリスト(CMA)、FP、CFA、簿記・管理会計の学習で電卓が手元にないときや、検算にも便利です。
使い方
- 上部で求める値(N・I/Y・PV・PMT・FV)を1つ選びます。その欄が結果欄になります。
- 残りの4つを入力します。支払いはマイナス、受取りはプラスで符号をそろえてください。
- 年間支払回数(毎月なら12)、複利回数、支払時期(期末/期首)を選びます。
- 結果とあわせて支払総額、利息合計、実効年利率、年ごとの残高表を確認します。
TVMの式と符号のルール
1期あたりの利率 i = (1 + I/Y ÷ 100 ÷ C/Y)C/Y ÷ P/Y − 1、期首払いなら t = 1、期末払いなら t = 0 とすると、5つの値は常に次の式を満たします。
PV × (1+i)N + PMT × (1 + i·t) × ((1+i)N − 1) ÷ i + FV = 0
PV・PMT・FVは同じ式に入るため、入ってくるお金は+、出ていくお金は−で入力します。3つとも同じ符号だと式が0にならず、金融電卓でもエラーになります。利率には解の公式がないため、ニュートン法と二分法で数値的に求めています。
計算例
| ケース | 入力 | 結果 |
|---|---|---|
| 住宅ローン35年・元利均等 | N 420, I/Y 1.5, PV 30,000,000, FV 0 | PMT −91,855円 |
| 毎月3万円を10年・年5%で積立 | N 120, I/Y 5, PV 0, PMT −30,000 | FV 4,658,468円 |
| 同じ積立を期首払いで | … + 期首 | FV 4,677,879円 |
| 分割払いの金利:200万円を60回×38,666円 | N 60, PV 2,000,000, PMT −38,666, FV 0 | I/Y 6.00% |
利息・運用益にかかる税金(20.315%)は考慮していない税引前の値です。NISA口座なら非課税です。
P/YとC/Yが異なる場合
毎月払い(P/Y 12)で半年複利(C/Y 2)のように支払回数と複利回数が違う場合、1期あたりの利率を (1 + 年利率/2)2/12 − 1 に換算して計算します。国内のローンや積立の多くは月払い・月複利なので、C/Yは「P/Yと同じ」のままで構いません。実効年利率は (1+i)P/Y − 1 で、複利効果を含めた1年あたりの利回りです。
よくある質問
利率を求めると「合う利率がありません」と表示されます。
PV・PMT・FVがすべて同じ符号になっていないか確認してください。ローンなら借入額(PV)は+、毎月の返済(PMT)は−です。符号が逆の値が1つもないと、どの利率でも式が成り立ちません。
期末(END)と期首(BEGIN)はどう使い分けますか?
ローン返済や多くの積立は期間の終わりに払う期末払いです。家賃・リース料・保険料のように期間の初めに払うものは期首払いで計算します。期首払いは各支払いに1期分多く利息がつきます。
銀行の返済額と少し違います。
銀行は実日数で利息を計算したり、毎回1円未満を端数処理したりするため、数円の差が出ることがあります。この電卓は途中で丸めない標準式を使っています。
Nは整数でなければいけませんか?
いいえ。Nを求めると小数になることがあり、最後の支払いが端数になるという意味です。年ごとの表はNを切り上げて表示します。